プロのアイドル・三宅健くん

V6の中で誰よりもアイドルとして立ち振る舞ってきた三宅健くん。25年経ってもその姿勢を貫いている姿はまさにプロのアイドル。

 

メンバーそれぞれ気になる部分はあれど、「この人は普段何を考えているんだろう?」と一番気になってしまうのが、健くんだ。「こんなにファンのことを考えて行動できる?」「忙しいのにそこまでできる?」と数々のエピソードを読んで何度も考えてきた。

 

その部分に迫るため、今回は三宅健のアイドル性について考えてみたいと思います。

 

プロのアイドル・三宅健

アイドルとしてのプロ意識を感じさせたエピソードといえば、当時反抗期だった岡田くんに言った「アイドルとしての誇りを持ってくれ」という言葉。

3次元の世界にこんな言葉を言える人がいるのか...。私たちは漫画か何かを読んでいるのか?とまで思ってしまう。

 

でも、普段から「アイドルとして自分に何ができるのか」を考えている からこそ出て来る言葉なのだろうとも思う。ジャニーズというたくさんのアイドルがいる中で、アイドルという職業にここまで向き合っているのは何人いるのだろうか。V6・三宅健の底が計り知れない。

もう少し分野ごとに分けてアイドルとしての健くんを考えていきたい。

 

魅せるダンスを追求

健くんは、ダンスの追求も物凄い熱量だと思う。ジャニーズに入所した当初、健くんはジャニーさんから「Youはビジュアルでいくから」とダンスレッスンを免除されていたらしい。

 

それでも人気が出て来ると当時絶対的な人気を博した森田剛と並んで踊らされることも多くなった。そうすると、長年続けてきたジュニアからは「ダンスもできないくせに」とやっかみも当然出てきた。そこで一層ダンスの練習に力を入れ、当時天才的といわれた剛くんのダンスと並んでも遜色がないレベルにまで持っていった。

 

そして現在、V6デビューから25年。比較的肌感覚で多少は出来てしまう剛くんと四半世紀以上も並んでダンスを披露してきた。きっと人知れず努力を重ねてきたのだろう。 

 

そんな健くんだが、今はプロのアイドルとしての意識もあり、魅せるダンスを意識しているように感じる。コンサートのDVDを観ていると、三宅さんのピタッと止める鋭さはやはり凄い。「バミリ(立ち位置)をよく間違う」と岡田くんからツッコミが入っていたけれど、ダンスの細部まで、それこそ指の動きひとつ一つにまで意識を向けているように感じる。

 

こうした意識もきっと“アイドルのプロとしての自分”を誰よりも自覚しているから。アイドルは多くのファンによって成り立っている特殊な業界で、ファンの人がいなければ、25年も第一線で活躍することはできない。

 

常にファンの期待を超えるパフォーマンスが要求され、厳しい世間の目とも戦う必要もある。一般人には想像することもできない世界。

 

でも、確かに特殊な業界かもしれないが、世間一般の仕事だってきっと同じ。プロとは何か、プロとして何を与えられるかは常に自問しなければいけないのだろうと健くんの活動を追っていると改めて感えさせられる機会が多い。

 

ファンの心理を理解してくれるアイドル

V6の中でもっともファンに近い目線で物事を語ってくれるのも、健くんだろう。ファン心理を理解し、岡田くんや剛くんが結婚したときには優しいコメントを発表し、ブログではファンを想っての内容を綴る。かと思えば、先日の剛くんの舞台では東京の千秋楽を観に行ったにも関わらず、(日帰り?で)大阪まで飛ぶ。相撲や他の趣味もそうだと思うけど、自分が何かのファンだからこそ、ファン心理を理解できるのだろうなと思う。

 

それともう一つ。なぜこの人はここまで気持ちを察することができるのだろうと疑問だったのだが、メンバーとの馴れ合いをみていたら、なんとなくその一旦が見えた気がする。

 

健くんは、常に周りの人がどう動くか、何を発するかをときに冷静にみている。そのときに自分が何をすれば笑いがとれるのか、どういう言葉をかければみんなが求めている状況にできるのか。人よりも期待に応えようとする気持ちが強いように感じた。だからこそ、ファンの期待に応えたい!と考える力が人一倍多いのかもしれない。

 

V6を誰よりも愛している

誰よりもV6への愛が伝わってくる健くん。20周年のときに井ノ原くんが作曲を担当した「~此処から~」では、V6への愛を複数枚の紙にしたためて渡したという。

 

それだけの想いを持ってV6として活動を続ける健くん。でもV6は25年間安定して続けてこれたわけではなかった。岡田くんの夜会での言葉を借りれば、「俺のことだけじゃなく、本当に色々なことがあったから」。

 

その気持ちを健くんが口にしたことを知って、思わず泣きそうになってしまった。10周年のときに健くんはポラロイドでメンバーの姿を写真に収めた。そのときの気持ちを10周年のときはこう語っている。

「みんなのおかげで10周年を迎えられることを本当に大切に思っているし、変な言い方だけど10周年を利用するくらいの勢いで、感謝の気持ちをカタチに表したいな、と。なんでって…好きだからとしか言いようがない。とにかく、この”6人”というのが好き。」

でも、20周年のパンフレットでは、当時を振り返り、こう語った健くん。

「あの頃、実は自分なりにグループに対する危機感を感じていたんです。それで、10周年を迎えるまでのメンバーとの日々をどうしても写真に残しておきたくて…。

 

「長くやっていくと、6人以外の個人活動もどんどん増えてきて。その両立や、気持ちの切り替えなど、個々の活動もちゃんと尊重してあげたいという気持ちもメンバーみんなが持っていた。僕自身は、V6という母体があったからこそ、今の自分があると、ずっと思っていたんです。なくてはならないし、自分自身でもあると思ってきた。だから、当時はつらかったですね。」

誰よりもV6を好きな気持ちが、メンバーの他の活動の妨げになってしまうかもしれない。自分はV6が好きだけど、もしかしたら続かないかもしれない。

 

そう考えてしまった健くんの気持ちを考えると、本当に切ない。そんな健くんが岡田くんのことを誰よりも気をかけていたのは、V6を守りたい気持ちが現れていたのかもしれない。

 

そう考えると、今もV6が6人で活動を続けてくれているのは、健くんのおかげのような気もしてくる。だからこそ、V6の仕事で楽しそうにしている健くんをみると嬉しくなる。25年続いてこれたのは、メンバーそれぞれの想いもそうだし、そこに三宅健さんがいたから。

 

自由奔放で、ときにメンバーを困らせてしまう健くん。その自由に振る舞っている健くんを見ているだけで、「25年続けてきてくれて、本当に良かった」と思わず泣きそうになってしまう。

 

メンバーそれぞれに言えることだけど、本当に三宅健くんがV6にいて良かった。でも、ファンへの対応を見ていると時々心配になる。「そんなに気を遣わずとも良いからね?疲れたと思ったら少し休んで、またいつもの笑顔を見せてね?」と。

 

それでもきっと私たちはあなたの笑顔に救われるから。
いつまでもアイドル・三宅健を貫いてほしい。