出来ることはすべてやる。努力家・岡田准一氏

2019年の秋頃から突如ハマったジャニーズのグループがある。

それは今年、25周年を迎えるV6。

 

きっかけは、たまたまYoutubeで観た最新曲「All for you」だった。「え、ジャニーズでこんなテイストの曲を歌うグループがあるの!?」と驚き、他の楽曲を検索するうちにハマっていった。

 

でも、より深くハマるきっかけとなったのは、2019年秋に放送された「愛なんだ2019」。アクション俳優として名を馳せる岡田くんが、高校の部活動アトラクション部の演技を指導する岡田塾を見て、そのプロ意識に感嘆した。

 

アクションで大切なことは、

①ボディーコントロール

②相手との距離感

③カメラ映りの3つのポジショニング

と熱弁し、自らが講師となって、身体を使いかたを教えていく。

 

さらに宿題として課題を与えた2週間後、生徒が練習の成果を岡田くんの前で見せた。素人からするとかなり成長したように見えたが、「距離感とパンチの打ち方から直していかなきゃいけないところはたくさんある」と岡田くんは厳しい評価を出した。

 

しかし、その真意は、高校生を大人として扱い、アクションに対する姿勢を伝えるためだった。

 

「アクションをやるということは、攻撃一つ一つを暴力で終わらすのではなく、芸術まで高めないと人はスゲエとは思ってくれない。その一手一手にどこまで責任を持てるか」と語る岡田くん。

 

これを初めて観たときに私は、この人はここまで考えて芝居をしているのかと衝撃を受けた。アクションは言ってしまえば、暴力だ。それを芸術として人に伝えるには、生半可な気持ちではできないのだ。

 

この番組を観て以降、「この人はどうしてここまで突き詰めて考えられるようになったのだろう?何がこんなに駆り立てるのだろう?」と気になって、検索を重ねる日々。次第に見えてきた岡田准一像は、人一倍努力を続ける真面目な人物だった。

 

アイドルから俳優の道へ。人知れず努力を重ねてきた

ジュニアとしての下積み期間もままならないまま、V6として1995年にデビュー。長年ジュニアとして活躍して来たトニセン、ジュニアの中でも絶大な人気を誇った剛健コンビとデビューしたこともあり、常に劣等感に苛まれてきたという。

 

そんな中、18歳のときに出演したドラマ『ディア・フレンド』が大きな転機となった。共演した緒形拳が、台本にはなかった平手打ちをしてきたことで心を動かされたのだそう。撮影が終わると「楽しかっただろう、感情は動いたか?」と言われ、今まで以上に芝居に打ち込むようになった。当時を振り返り、岡田くんは怒る演技はしていても、感情が動いていなかったと感じたと言っている。

 

しかしその当時は、V6はレギュラー番組を抱え、忙しい日々。それでも1日2本は映画を観て、自分でカット割を書き出すなど、人知れず努力を続けて来た。他にも1日1冊本を読むこともノルマとして自分に課していたともいう。

 

そして時は経て、2015年。第38回日本アカデミー賞で、映画『永遠の0』で最優秀賞主演男優賞、映画『蜩ノ記』で最優秀助演男優賞と史上初のダブル受賞。ジャニーズで日本アカデミー賞を受賞した最初の人物となった。

 

20歳になったら、ジャニーズを辞めて社会科の先生になりたかった岡田くん。まだ社会について分からない中学生のうちから、キャリアを築き始めてしまい、「果たして本当にこの道で良いのか」と苦悩もあったはず。それでも、緒方さんのおかげで芝居にのめり込み、新たな道を見つけたのだ。

 

いち俳優から、アクション俳優の道へ

そして、もうひとつアクションも俳優・岡田准一を語る上で忘れてはならない項目。2007年から始まった『SP 警視庁警備部警護課第四係 』を契機にアクションを極める道へと進む。2010年にはカリ、ジークンドーのインストラクターとして認定され、その後、USA修斗のインストラクターの資格も取得した。

 

アクション俳優で師範級の資格まで取ってしまう人はいるのだろうか。初めて聞いたときは耳を疑った。人を演じる俳優を突き詰めて考えるうちに、アクションまで追求して、行動する。これは岡田准一にしかできないのではないかと思ってしまう。

 

あまり努力を表立って言う人ではないので、詳しいことは分からないが、人に教えることができるまでできてしまうのは、並大抵のことではない。しかも、自身の活動やV6としての活動も日々続ける中での取得。たまに番組で披露する筋肉の知識もすごいので、きっと知識面でもかなり勉強したのだろう。一つのことを追求して、実際に他人に認められるまで成長するのは、本当に心の底から尊敬する。

 

一方、自分を振り返ったときに、岡田くんのようにできることはすべてやる覚悟で仕事をしているのかと考えてしまった。休日にいざ勉強しようと思っても、インターネットが繋がっていれば、Youtubeを観てしまう自分がいる。

 

忙しい合間をぬって映画のカット割りをして、本も読んで勉強していた岡田くんと比べて、自分の至らなさに辟易する。でも、推しも若い頃は日々に奮闘して勉強して、今の地位を築いたのだ。そう考えると自分ももっと頑張れるんじゃないか。推しができて、そう考えられるようになった。

 

今日も推しの努力する姿を想像し、私は仕事へ向かう。